人間の種類、本質に迫る!前者後者って何?
- 2017/6/13
- 人間の本質

世の中には、様々なタイプ別診断のツールがあふれています。
皆さんもテレビやSNSなどで目にする機会は多いのではないでしょうか?
たとえば日本人は、「あなたの血液型は○型だから、こんなタイプだよね」というやり取りが多いですよね。
しかしこれには、科学的根拠はありません。
海外ではナンセンスということで笑われます。
このようにタイプ別診断は、根拠が曖昧なものから、統計学や心理学のアプローチから緻密に分析されたものまで、玉石混合です。
天職の学校は「やり方ではなく在り方から自分の天職を学ぶ学校」ですが、実はその前段階として、在り方の前に
「自分はどういう種類の人間なのか?」
「自分という人間の本質は何なのか?」
を把握しておかないと、ほぼ確実に途中でつまづいたり挫折したりします。
ほぼ100%です。世の中に成功哲学は溢れかえっていて、もっと世の中に成功者が溢れていてもいいはずなのに、なぜ失敗する人のほうが圧倒的に多いのか?
の真因は、実はここにあります。
我々は、いくつかのツールを組み合わせてその人の本質に迫る、という手法を採用しています。
ここでは、そのうちの一つと言える、心理カウンセラーの心屋仁之助氏が提唱した「前者・後者論」について見てみることにしましょう。
目次
前者・後者論とは?
人間は大きく分けてマルチタイプ(前者)・集中タイプ(後者)の二つのタイプに分けられる。
それぞれの特性を知ることで「自分らしさ」に気づき、努力なく、ムリなく、豊かで幸せな人生に転換しようという、心屋仁之助氏が提唱した理論です。
前者:空気が読め、理解、理論、表現、処理能力が比較的高いマルチタイプ
後者:天然、癒し系、言葉をストレートに受ける集中タイプ
自分が前者か後者かを判断する基準は1つだけ
人の話を聞いてて、頭がシャットダウン(真っ白)になるか?
- 怒られたり失敗したり、あせったときにすぐにパニック(混乱)になる
- 難しい話や、まくしたてられると心の中にシャッターが下りて「しまう」
- 思考がすぐにどこかに飛んで行って「しまう」
- 説明を受けたり怒られている最中に、うわの空で他のことを考えて「しまう」
この質問の例にひとつでも「イエス」があれば、後者。
「ノー」ならば前者、という判断です。
※「意識的に」シャッターを下ろすのではなく「気が付けば下りている」のが特徴。
※仕事が出来る、勉強ができる、などの「できる」は判断基準に入りません。
※前者・後者はひとりのひとにどちらもあるものではなく、「どちらか」という「絶対的」な話です。
※前者は、ここまで読むだけで理解できます。理解できた=前者ではありません。
前者後者の話が生まれたきっかけ
ことの始まりは、2015年11月に心屋氏が自身のブログで「大人になりたくてなれなかったひと、大人になりたくてなれてしまったひと」という記事をアップしたのがきっかけです。
それを機に、心屋氏の周りで「じゃあ自分は?」「私は?」「あーでもないこーでもない」と議論が百出し、その過程で理論や実証例が積み重ねられていきました。
今では、「前者か後者は、どちらも自分の中にあるというものではなく、どちらか一つ」「パソコンやスマホのOSのように「前者か後者かどちらか」という二者択一」という前提の認識が固められています。
私は仕事柄、毎日毎日、実に多くの新しい人、しかも様々なタイプの人と接する機会があります。
基本的に、「現時点での日本社会」は前者が回しやすいように仕組みがつくられているので、大人はほぼ全ての人が「自分は前者」として振る舞います。
がしかし、それは基本のOSではなく、ソフトである可能性があるかもしれません。
パソコンは、ウインドウズとマックは同居できませんが、ソフトは共有できるものが多いです。
前者と後者は、ウインドウズとマックくらい違います。創業系の経営者は、後者のタイプが非常に多いです。
歴史ある大企業の幹部は、ほぼ前者タイプですね。
何となく違いが分かりますか?
ここまでの話で、ついてこれていない方もいるかもしれませんが、詳細はインターネットを調べればいくらでも出てきます。
色んな方が、色んな角度から前者後者論を語られているので、きっと自分にフィットする記事があるはずです。
本稿で最も述べたいのは、「前者・後者の話は、定型発達と発達障害の話である」ということです。
定型発達と発達障害~発達障害とは?
最近は各方面で話題にのぼることが多いですが、そもそも発達障害とは何か?
大きくは、以下の3つを指します。
- 自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)
- ADHD(注意欠如多動性障害)
- LD(学習障害)
一つずつ見ていきましょう。
自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)とは?
アスペルガー症候群には、大きく分けて3つの障害があるとされています。
- コミュニケーションの障害会話能力は、表面上は問題なくできるのですが、その会話の裏側や行間を読むことが苦手です。
明確な言葉がないと言葉をそのままの意味で鵜呑みにしてしまう傾向があるため、人の言葉を勘違いしやすく、傷つきやすい面があります。 - 対人関係の障害場の空気を読むことに困難さがあり、相手の気持ちを理解したりそれに寄り添った言動が苦手な傾向にあります。
そのため、社会的なルールやその場の雰囲気を平気で無視をしたような言動になりがちで、対人関係を上手に築くことが難しいです。 - 限定された物事へのこだわり・興味いったん興味を持つと過剰といえるほど熱中します。
法則性や規則性のあるものを好み、異常なほどのこだわりを見せることがあります。
その法則や規則が崩れることを極端に嫌う傾向があります。一方、この特性は逆に強みとして活かすこともできます。
このアスペルガー症候群ですが、有名人ではこの人たちがそうではないか?ということが話として挙がっています。
アインシュタイン(科学者)
トーマス・エジソン(発明家)
ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)
スティーブ・ジョブズ(アップル創業者)
さかなクン(魚類学者)
ADHD(注意欠如多動性障害)とは?
ADHDの症状は「不注意」「多動性」「衝動性」の3つに分けることができます。
それぞれの具体的な特徴を見ていきましょう。
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- 不注意・忘れ物が多い
- 何かやりかけでもそのままほったらかしにする
- 集中しづらい、でも自分がやりたいことや興味のあることに対しては集中しすぎて切り替えができない
- 片づけや整理整頓が苦手
- 注意が長続きせず、気が散りやすい
- 話を聞いていないように見える
- 忘れっぽく、物をなくしやすい
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- 多動性・落ち着いてじっと座っていられない
- そわそわして体が動いてしまう・過度なおしゃべり
- 公共の場など、静かにすべき場所で静かにできない
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- 衝動性・順番が待てない
- 気に障ることがあったら乱暴になってしまうことがある
- 会話の流れを気にせず、思いついたらすぐに発言する
- 他の人の邪魔をしたり、さえぎって自分がやったりする
アスペルガー症候群とは似て非なるもの、とされていますが、実際の臨床の場面では、両者の境目はあいまいで、合併していると診断されていることも多いです。
有名人では、この人たちがそうなのでは?とされています。
勝間和代(経済評論家:本人が告白)
長嶋茂雄(ミスタージャイアンツ)
坂本龍馬(明治維新の志士)
最近、ホリエモンこと堀江貴文氏が「多動力」という書籍を出版されて話題になっています。
多動とは、まさにADHDそのものですし、堀江氏の言動やこれまでのふるまいも、明らかにADHDの傾向が見てとれます。
だからこそ、常にある側面で一時代をリードしてきたとも言えるのでしょうね。
LD(学習障害)とは?
最後に、学習障害です。
ディスレクシア、ディスグラフィア、算数障害など様々なタイプがあります。
知的発達の遅れがないため症状を見逃しやすく、また人によって症状の現れ方も違うので、診断が難しい障害となっています。
学習障害の種類は主に
- 読字障害(ディスレクシア)・・・読みの困難
- 書字表出障害(ディスグラフィア)・・・書きの困難
- 算数障害(ディスカリキュリア)・・・算数、推論の困難
の3つに分類されます。
有名人では、この人たちが告白しています。
トム・クルーズ(ハリウッド俳優:読字障害、本人が告白)
ミッツマングローブ(女装家:読字障害、本人が告白)
私の知人にもディスレクシアの人がいて、その人は、文字がゆがんで見えたり動いたりして読めないため、語学学習はもっぱら絵を描いて色で覚える、と言っていました。
余談ですが、その人はすごく頭がよくてコミュニケーション能力も高く、様々な企業や団体のアドバイザーをやっています。
定型発達と発達障害~定型発達症候群とは?
そして、全人口の殆ど、95%を占めていると言われる定型発達です。
定型発達症候群(Neurotypicalsyndrome)は、神経学的には障害とされており、以下のような特徴が見られます。
- 社会の問題への没頭周囲に馴染むことを最優先事項とみなすそして集団になると、社会性および行動において硬直する
- 優越性への幻想自分の経験する世界が唯一のもの、正しいものであるとみなす
- ひとりでいることが困難人と一緒にいるが、仲間に入らないということを苦手とする人といるときには必ず何か話さないではいられない
- 率直なコミュニケーションが苦手本音を言わず、建前を優先する
- 論理を欠いても平気一貫性がなく、状況によって対応を変える
自身が定型発達症候群と告白している人はいません。
なぜなら、世の中の95%、多数派なので自覚する機会やきっかけがないからです。
ただ、私の周囲で「前者」を自認している人は口を揃えて、「程度の差こそあれ、定型発達症候群というのはまさに私のことだ」と言っています。
天職を知るために最低限知っておかねばならないこと~天から授かった本質
さて、ここまでで「前者後者とは何か?」「定型発達と発達障害とは何か?」
というのを見てきました。いかがでしょうか?
両者の理論に似通ったもの、むしろ同じなのではないか?というのを感じ取っていただけましたでしょうか?
これは、どちらが良い悪いの話ではありません。
単なる脳の構造上の違いです。
かつ、「自分にはどちらの要素もある」というものではなく、「基本で備わっている本質はどちらか一つ」という話です。
どちらにも強みと弱みがあり、それを補い合い、活かしあうということが話の本質です。
しかし、一個人にとってみれば、これは重要な話です。
自分に備わっている本質、天から授かった本質はどちらなのか?
前者(定型発達)なのか、後者(発達障害)なのか?
これは、前者=仕組みを回す側、つくられた仕組みに乗る側後者=仕組みを壊す、あるいは創造する側という話ともつながります。
※何事も例外はあるので、そこはお含みおきを
これを「こうありたい」とか「こうあるべき」という願望やべき論で決着させると、ほぼまちがいなく失敗します。
あなたにとって良い結果にはなりません。
我々1人1人が、天から授かった本質、使命があります。
まずはその前提をしっかりと理解したうえで、自らの天職、あり方ややり方を見定めていきましょう。