コンサルタントとしてのあり方
- 2018/12/10
- 天職の学び舎

私は、組織人事コンサルタントとしての自身のあり方を以下のように捉えている。
それは、「起業家」・「臨床家」・「研究者」の、3つの顔である。
自身の3つの点
「起業家」としての道:ビジョンは、すべての人がありのままでイキイキと輝く自律型共創の世界を実現すること。
「臨床家」としての実証研究:各種トレーニングやヒューマンアセスメント、1対1のコーチング、コンサルティング活動の全般を指す。
私は年間の半分を、日本全国のどこかの組織、どこかの現場で過ごしている。
それらは1日~3日程度と短い期間であることが多い。
私は日々の現場においてクライアントの行動変容を促すと同時に、「人とは何か、組織とは何か」の実証的な研究を積み重ねている。
「研究者」としての理論研究:理論研究とは、専門性を伴う学術領域の深化を指す。
コンサルタントは、“ある事柄について助言・指導を行う専門家。
相談役”などの一般的な定義はあるものの、とかく誤解されやすく、理解されにくい職業である。
また、コンサルティングファームなどの会社組織があるとはいえ、極めて属人性が高い職業であるとも言える。
それゆえ、ある種胡散臭くみられてしまうのも仕方ないかもしれない。
そのコンサルタントに志はあるのか、論理はあるのか、情熱はあるのか。
積み重ねてきた厚みはあるのか。
それらは表面を取り繕ったとしても、遅かれ早かれクライアントや周囲に見透かされ、結局はコンサルタントとしての自らの道を狭めることになる。
ゆえに私は、起業家として、臨床家として、研究者としての3つの顔をそれぞれ磨き続けたいし、研鑽し続けなければならないと思っている。
点と点が線になる道
私の場合、スタートは「道」である。
原点は、「人を活かしきれない組織(社会)」に対する疑問や怒りである。
そこから、複数回のアウフヘーベン(止揚)を経て現在に至る。
悪戦苦闘し続け、幾度も苦渋を味わいながら、少しずつ臨床を積み重ねてきた。
そうすると人間、不思議なもので、当初の原点だった疑問や怒りを包含しつつも、それらの感情を客体化できる自分がいるのだ。
成人の意識発達の証左の一つである、と言えるかもしれない。
そうして積み重ねてきた臨床や実践を経て、今度は自らが点として実践してきた臨床を、学術的に体系化したくなった。
より高次の段階を目指したくなったのだ。
より高みを目指す道へ
実際、私の講義はおなじコンテンツでも、毎回見直しをかけている。
毎年感じることだが、昨年の同内容の講義は、見返すと顔から火がでるほど恥ずかしくなる。
しかしそれは、その時に持てる力をすべて出し切ったうえでのアウトプットである。
一方、いつまでもこのような内省の仕方を繰り返すのも芸がない。
私は、行動分析の一つであるアセスメントセンター方式に、深層心理学や発達科学などの対極に位置する領域を架橋したい。
そして、本当にその人の本質を見極め、持ち味を活かすことのできるヒューマンアセスメントを体系化し、実践していきたい。
それは人の幸せのみならず、様々な形態を採る組織のさらなる成長や発展にも貢献するはずである。
本稿、すなわちこの「天職の学び舎」として言葉を紡ぐ取り組みも、時が経った時に見返すと、顔から火がでるくらい恥ずかしくなるに違いない。
それでもその一歩一歩が、自らが目指している言語能力のパラダイムシフト、そしてその先に広がる世界に繋がると信じて、自らの道を歩み続ける。