自分を知る、天職を知る~アセスメントの深淵へ~
- 2018/12/23
- 天職の学び舎

―世の中にあまたあふれる職業の中から、適職ではなく天職を探すこと―
私は、そのための一番の近道は「自分を知ること」であると考える。
それは、自分の内側から聞こえる内なる声と向き合うことである。
これは文字にするとシンプルだが、内実は非常に奥が深い。
どこまで追求しても、完全にわかった状態に達したということはないであろう。
ある程度で落としどころをつけ、次のステップに進む必要があるのかもしれない。
すなわち、実際に自らがこの世界に対して真の意味で付加価値を提供できる仕事に、勇気を持ってその一歩を踏み出し、着手することである。
本稿で伝えたいことは、たった2つである。
①自分を知るためのツールは世の中に数多溢れていること、
②それらは多分にマーケティングの要素を含んでいるため、適切なコーチやファシリテーターの導きがないと、かえって自分を顧みる目が曇ってしまう、
という警告だ。
ところで、アセスメントは主に3つの領域に迫ることを目的として用いられる。
一つはその人の「過去の行動」を知ること、もう一つはその人の「将来の行動傾向」を知ること、もう一つは「心の内面」に迫ることである。
それぞれに応じて使用するツールは異なる。
過去の行動を知るには、本人へのインタビューと合わせて、多面評価(360 度評価)を加えることが妥当である。
将来の行動傾向を知るためには、やはりセンター方式のヒューマンアセスメントが最も有効であろう。
一方、心の内面に迫るツールは自分を知るためのツールでもあり、それらのアセスメントツールは世に数多溢れている。
それらは玉石混合であり、使い方を知らずに濫用することは危険ですらある。
私はこれまでに以下のアセスメントを体験したことがある。
- ストレングスファインダー
- エムグラム
- MBTI
- MODI(職業傾性総合インデックス)
- キャリアエンジン
- DiSC
- ウェクスラー成人知能検査(IQ 検査)
- ヒューマンアセスメント
- 前者後者論
- 九占星術
- ヒーリング整体
等々…
目にしたことがあるものが存在するかもしれないし、そうでないものも多いと思われる。
DiSC に関しては、認定インストラクターの資格を有している。
MBTI は被験者の内面に深く迫るという意味において、あるいは世界で最も有名なタイプ論の診断ツールとしてその有用性を実感しており、近いうちに認定インストラクターの資格を取得することを検討している。
MBTI の本来の活用方法は、認定インストラクターのファシリテートのもとじっくりと自分の内面に向き合うことを趣旨としており、インターネットでよく見かける簡易診断をそのまま用いることは、何よりも本人が不利益を蒙りかねない。
その点、ストレングスファインダーは一般人でも比較的簡単にアクセスすることができ、かつ安価である。
自分を知るというその第一歩において、最も適したツールであると言えるかもしれない。
繰り返しになるが、本稿で伝えたいことは、たった2つである。
①自分を知るためのツールは世の中に数多溢れていること、
②それらは多分にマーケティングの要素を含んでいるため、適切なコーチやファシリテーターの導きがないと、かえって自分を顧みる目が曇ってしまう
ということだ。
私は職業柄、今までもこれからも様々なアセスメント手法の実験体として自らを臨床し続けるが、こと自らの天命を知る、天職を知るための道しるべとしてアセスメントツールを使用するのであれば、何を用いるのかという組み合わせも含め、専門家の知見を活用することを強く推奨しておく。
結局はそのほうが費用対効果も高く、かつ天職を知るうえにおいては最短の道であるのだから。